モノを売る事業者は返品処理を頻繁に行います。しかし、インターネット技術が発展した昨今では実店舗を持たないインターネットショップが増加し、返品を受け付けない販売店も登場しました。ECサイト事業者にとって返品処理は顧客のロイヤルティを大きく左右する重要な業務です。この記事では返品処理について注意点や仕訳のやり方などを交えご紹介致します。
目次
返品処理とは?
返品処理とは、商品を購入した顧客が返品を希望した際に、販売店が該当の商品を顧客から受け取り、検品し、交換や返金を行うまで一連の流れのことを指し、英語では主に「processing returned products」と訳されます。
ネットショップなどでは実際に商品の現物を見ないで購入し、想像と違ったという理由で返品するケースが多く見られ、ネットショップの返品率は多いサイトで15~30%に昇るといわれてます。
返品処理を行う場合、販売店は販売した商品を回収や交換を行います。また、代金の払い戻しを行わなければならないため、販売店に多くの負担がかかります。そのため、ネットショップや一部の販売店では返品を受け付けていない場合もございます。また、返品処理はリバースロジスティクスの一環としても注目を集めています。
返品処理を行うメリット
返品処理といってもその原因はさまざまです。例えば、ネットショップを運営している場合、販売店側の発送ミスなどにより、返品処理を行わなければならないということがよく発生します。ここで対応を間違えてしまえば、自社サイトの評判は落ち、リピーターの流出にも繋がりかねません。
そこで、多くの場合、ネットショップは返品処理に関して手厚い対応が求められます。また、ネットショップの中には積極的に返品処理を受け入れ、自社サイトのロイヤリティーの向上を図る企業もあります。
直筆の謝罪文と顧客に対する感謝のメッセージを記載した手紙を添えるなど企業によってその工夫はさまざまです。
返品処理を行う際のフロー
一般的に、実店舗を持つ販売店で返品が発生した場合は、レジやサービスカウンターでレシートを確認し商品の交換や、回収を行います。
しかし、実店舗を持たないネットショップなどはその工程は複雑です。まず、返品を希望されている商品に関して、返品が妥当かどうか判断しなければなりません。
また、ネットショップといっても「楽天市場」や「Amazon.com」といったECモールを利用しサイトを構築している場合やEC運営代行サービス利用している場合は返品処理に関する顧客対応を直接行うことはありません。
ECモールの場合はカスタマイズセンターが、EC運営代行の場合は代行業者がこの対応を行います。返品が決定したら、返品方法の決定を行います。この際に、返品理由が商品の初期不良や発送ミスなど購入者側に落ち度がない場合は、販売店側が送料を負担する必要があります。ネットショップの中には自ら集荷を行う販売店もあります。
商品が販売店に到着したら、検品を行い破損などの確認を行います。破損や商品の異常が確認できたら、交換や返品を行い返品処理は終了です。
このようにネットショップを運営する場合、返品処理業務は複雑化します。自社で返品処理までカバーする体力がない場合は、EC運営代行サービスや物流、受注管理システムを一部代行してみてもいいかもしれません。
返品処理における注意点
返品処理は一つ対応を間違えてしまえば、販売店のロイヤルティを大きく落としてしまいます。店舗の評判を落とさないためにも、手厚い対応が求められます。返品交換を行う場合は新たに送る商品に、手書きの手紙を添えてみるのもいいでしょう。
返品処理を行う際は、商品の購入者になるべく負担をかけずに、手厚いサポートを行うことが必要になります。対応次第では販売店のロイヤルティの向上に繋げることも可能です。
販売店は返品処理を行う場合は慎重な対応が求められるので注意が必要です。
返品処理における帳簿、伝票の仕訳
返品処理が発生した場合、以前記載した帳簿や伝票を修正しなくてはなりません。
仕入戻し(仕入返品)
商品を仕入れ先に返品する仕入戻しを行う場合は、仕入取引がそもそもなかったことになります。そのため、帳票上では借方と貸方を逆にし仕訳を行います。
売上戻し(売上返品)
販売した商品や製品が返却される売上戻しが発生した場合も仕入戻しと同様の考えで帳票を処理します。
返品処理における会計処理のタイミングとは?
実店舗を持つ販売店が返品処理を行う場合、商品の購入者が店舗に足を運び処理が行われます。しかし、ネットショップやBtoBを主とする事業が返品処理を行う場合は、長い時間をかけ行われる場合もあります。期をまたぐ返品処理を行う場合は、返品処理が完了してから帳票の記入を行います。
また、期をまたいでの返品処理が発生してしまった際は、その返品するもしくはされる商品の金額が高額でなおかつ課税額に数千万円規模で影響を及ぼす場合は以下の3点の手続きをする必要なる場合があります。そのため、大規模な返品処理を行う際は注意が必要です。
・当期会計仕訳 普通預金/特別利益(繰越損益修正)
・前期F/S上の修正 買掛金/仕入 (仕訳勘定は計上しない)
・修正申告(別表四 所得加算 別表五(一)利益積立金加算)
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事では返品処理についてご紹介致しました。
ECサイトなどのネットショップが返品処理を行う際は実店舗と比べ、多くのコストが掛かります。また、対応を誤れば、顧客のロイヤルティ大きく落としかねません。しかし、返品処理を手厚く行えば、顧客のロイヤルティを上げることも可能です。
この記事が返品処理を行う際に参考になれば幸いです。
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