「BOPIS」という言葉をご存じでしょうか。あまり聞き慣れない言葉ですが、今後、小売業界や配送業界においては、キーワードとなってくると考えられます。今回は、BOPISについてのメリットや事例を、アフターコロナの日常を踏まえてご紹介します。
目次
BOPISとは?
BOPISの読み方は?
BOPISの読み方は「ボピス」です。BOPISは、「Buy Online Pick-up In Store」を略した言葉で、簡単に言うとオンラインで買った商品を店舗で受け取れる仕組みのことです。年々拡大するEC市場では、効率化や人々の需要に合わせて、多くの新しいサービスやソリューションが開発されています。BOPISもその内のひとつで、従来のような自宅への配送だと都合の悪い人へのサービスです。
コロナ禍で注目されるBOPIS
BOPISは、荷物の配達を家で待つのが煩わしい人や、家と職場の行き来の間で受け取りをしたい人などをターゲットに、いくつかの企業がサービスを開始しています。
コロナ禍の巣ごもり需要で、さらにオンラインチャネルの利用が増えた現在では、配送方法にも「置き配」や「サイン不要」などのバリエーションが生まれました。外での購買が減ったコロナ禍で、BOPISは顧客にとっては買い物時間の短縮になり、事業者にとっては顧客が店舗に訪れる機会や時間を増やしてくれるため、双方から意欲的な視線が向けられています。
これからのアフターコロナの時代においても、活躍していきそうなBOPISですが、まだまだ利用率は5.7%と低いです。(2020年株式会社バルク調べ)
BOPISのメリット
お客様からのメリット
①ネットショッピング感覚!なのに送料がかからない!
購入自体はオンラインチャネルで行うため、商品検索やレビューの閲覧などが行えます。お店に行ったら売り切れ、なんてこともありません。自宅に届けてもらうわけではなく自分で取りに行くため、送料はかかりません。
②自分の好きなタイミングで商品を受け取れる
自宅配送の不便な点は、いつ来るかわからない配達を、自宅で待たなければならなかったことです。BOPISを利用すれば、都合の付く時間まで店舗で保管してもらえ、仕事帰りなどの隙間時間での受け取りも可能になります。
③シームレスな買い物が可能
店舗とオンラインを組み合わせて使うことができるので、例えば、オンラインで在庫の有無を確認してから買いに行ったり、受け取り時に不備があればその場で返品ができたりと、実店舗のみやECサイトのみの利用よりも使い勝手が良いです。
事業者にとってのメリット
①顧客のユーザビリティ上昇
なんといっても、BOPISは利用顧客にとってメリットが多いです。顧客のニーズに対応していくことで顧客満足が高まり、リピート率上昇や、競合との差別化にもつながります。
②配送コストの減少
注文一つ一つを倉庫から各自宅へ配送するよりも、倉庫からまとめていくつかの店舗への配送となるので、コストや工数の削減に繋がります。また、注文商品の在庫が届け先店舗にあれば、配送は不要になるのもメリットです。
③お客様の来店機会を増やせる
これは、コロナ禍でBOPISが注目されている大きな理由といえます。外出自粛で客足が遠のいた店舗に、お客様が来店するきっかけになるからです。ここから、他の商品も目に入れてもらい、いわゆる「ついで買い」などに繋げて、売上やお客様の滞在時間を伸ばせるのがBOPIS最大のメリットです。
BOPISに必要なこと
BOPISを自社で取り組むには、まず実店舗とECサイトの二つ以上のチャネルが必要になります。
また、在庫データを統括して管理するシステムも必須です。それらがそろった後も、ピッキングや配送指示を素早くすますオペレーションが必要になってきます。
システム構築が既にできていて、ECと店舗のシームレス化が済んでいる事業であれば、これからBOPISに取り組んでみてはいかがでしょうか。
BOPIS海外の事例
2019年のICSC(国際ショッピングセンター協会)の発表によると、米国でのBOPIS利用者は成人の半数を超えるようです。また、そのうちの61%もの人がリピート利用をしています。この数字は、日本におけるBOPIS利用率に比べても大分高いですね。米国の利用率の高さの背景として、BOPIS導入事例を見てみましょう。
参照:ICSC「ICSC Finds Over Half of Online Shoppers Use Click-and-Collect」
Walmart
Amazonのライバルで有り、リアル店舗に強みを持つウォルマートでは、2015年から、EC分やの強化に力を入れ、BOPISの先駆けとして、「クリックアンドコレクト」という取り組みを行っていました。その利便性から急増したBOPIS利用客に、従業員による受け渡しでは対処しきれず、受け渡し業務は次第に人の手からピックアップ用のロッカーへと移っていきました。ウォルマートでは、巨大な「ピックアップロッカー」を全店に設置することを現在の目標としています。
Starbucks
細かい注文が可能で人気のスターバックスですが、こちらも2017年からオンラインチャネルの強化を掲げています。モバイル注文や決済が可能となり、待ち時間短縮や、カスタマイズも口頭での注文よりわかりやすいなどのメリットがあり、ついにBOPISでの売上が、売上総額の11%に上りました。2019年からは、都内のいくつかのスターバックスでも、「モバイルオーダー&ペイ」としてサービスが開始されています。
このように、アメリカでは少し前からBOPISの普及が始まっていたようです。国土の広さから、BOPISによる配送コストの削減は、日本よりも大きなメリットであったと考えられます。また、新しいソリューションに素早く適応している企業の姿も多くうかがえます。
BOPIS日本の事例
日本でも、家電業界や家具業界など、いくつかの企業でBOPISのサービスが提供されています。
ヨドバシカメラ
多くの店舗数を誇るヨドバシカメラの店舗受け取りサービスでは、受け取り希望店舗に在庫がある場合、30分以内での商品提供を行っています。また、その他店舗に在庫がある場合には取り寄せが可能であり、一部店舗では24時間受け取り可能となっています。
ニトリ
専用のECサイトから24時間注文可能です。14時までの注文で、最短当日受け取りなど、家具の注文としてはとても使い勝手が良いです。また、商品によっては、オンライン決済か店舗決済か選べる場合もあるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。BOPISは実店舗に十分力がある場合や、実店舗のユーザビリティを高めたい場合などに有効です。アフターコロナの中で、店舗受け取りサービスのニーズは高まっていくと考えられます。オムニチャネル化の検討の際には、是非一度検討してみてください。
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