物流担当者必見!物流改善施策における事例を集めました

「物流を改善したい!」「物流の改善事例が知りたい!」と気になっていませんか。

結論、物流改善をするには以下5つの考え方が大切です。

①物流コストを減らす
②ミスをなくす
③3M(ムリ・ムダ・ムラ)をなくす
④作業効率up
⑤作業工程の管理

この記事では他にも「物流改善に成功した企業の事例」や、「物流改善におすすめの倉庫管理システム」や「参考にするべき本」などを紹介しています。物流改善にお悩みの事業者さんは是非参考にしてくださいね。

執筆者

佐藤 美樹

アートトレーディング株式会社の専属WEBライター。
ECサイト運営では、SEOやSEM、SNSマーケティングの導入・運用を担当。現在はECサイト運営や物流に関する記事の執筆を行う。

監修者

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

物流改善の考え方

物流改善の考え方として特に大事にすべきポイントを大きく分けると、

①物流コストを減らす
②ミスをなくす
③3M(ムリ・ムダ・ムラ)をなくす
④作業効率up
⑤作業工程の管理

があります。これらの点をどう考えていけばより良い環境作りができるのかが改善のカギとなります。

1.物流コスト

物流コストとは商品の移動や取引・処理にかかる全てのコストのことを言います。

例えば郵配送費をはじめ、システム費・人件費・倉庫維持費・商品管理費など様々な分野でかかるコストがありますが、項目にすると「支払い物流コスト」と「社内物流コスト」の大きく2つに分れます。

◆支払い物流コスト

まず一つ目は『支払い物流コスト』です。

支払い物流コストとは簡単に言うと社外に支払うコストの事で、輸配送の運賃・倉庫内の光熱費や維持費・包装などにかかってくるものです。

例えば自社でトラックや倉庫を所有していない場合、外部に配送や保管に関してアウトソーシングをしている事が多く、その時にかかっているコストの事を指します。
このようなコストは認識しやすく削減に対しての社内の意識も高い事が多くあります。

◆社内物流コスト

物流にかかるコストが2つの項目に分かれているうちのもう一つは『社内物流コスト』です。

社内物流コストとは社内で発生する物流コストを指し、社外コストよりもつい見落としがちで、削減の対象として認識しにくいコストであります。

例えば流通加工作業を製造原価に含ませてしまったり人件費の計算方法も含め社内物流コストは経理上の項目に埋もれやすいです。

そのため物流コスト削減を検討する際に見落としがちな社内物流コストに対しての正しい認識力を高める必要があります。

ではそんな物流コストを削減するためには何をしなくてはいけないのでしょうか。

例えば梱包・在庫管理業務においてかかってくる人件費の場合、作業のマニュアル化や作業スペースの拡大、管理システムの導入などでコスト削減に繋げる事ができます。

ただし倉庫管理において在庫の出荷量に応じてただ単に倉庫内のスペースを変えては、逆に無駄なコストや作業を増やしてしまう事になります。

その無駄を生まないように倉庫管理システムを導入し作業の効率をすることで、人件費の削減をすることができるでしょう。

2.ミスをなくす

物流業界は人力に頼っている業務が多く、人為的なミスが発生する確率も高くなりがちです。

このようなヒューマンエラーは特に出荷時に起こりやすいといえるでしょう。

例えば、ピッキングミスや配送先の間違えなどによる誤出荷です。(荷物に貼ったラベルの文字が多すぎて読み間違えてしまうようなピッキングミスや商品仕分けの際に間違ったカゴに商品を入れてしまった事による配送先のミスなど。)
このようなミスはクレームにつながり、発生すれば処理にムダなコストと時間がかかるので、気を付けなければなりません。

それではミス防止策にはどのような方法があるのでしょうか。

まずはピッキングにてヒューマンエラーが起きないよう、ダブルチェックの実施をしましょう。そして倉庫内の環境は、常に整頓されていて点検のしやすいベストな環境であるべきです。

もしシステムの導入費用を担保できるのであれば、倉庫管理システムを導入して、作業効率改善・ヒューマンエラーの防止に努めるのもおすすめですよ。

3.3Mをなくす

物流改善を行うためには、業務上の3M(ムリ・ムダ・ムラ)をなくすことも重要になってきます。

 〜ムリ〜
現実的に社内の人材が持っているスペック以上の業務を求めている状態です。
“ムリ”をして慣れていなかったりできない業務を遂行しようとする事により、
結果的に生産性や品質に乱れを生じさせます。

 〜ムダ〜
過剰仕入れや不必要な在庫管理は、時間やコスト以外にも様々な”ムダ”を生じさせます。
仕事量の増加に伴い莫大な人件費を必要としなければいけなかったりと、
大きなマイナスポイントにつながります。

 〜ムラ〜
これら”ムリ”と”ムダ”が合わさる事によって安定した業務が行えず、ムラが生じてしまいます。

このような3Mは適材適所に必要な人員を必要な数配置していない事で発生してしまいます。製造業のような自動化が難しい場もあり、人力による作業に依存してしまいがちです。

ですがそんな現場にもハンディーターミナルを導入する事は比較的簡単にできます。ハンディーターミナルによる商品ラベルの情報照合は人が行うよりも遥かに正確性が上がります。そのため本来の作業工程にも余裕ができ、人員配置の最適化にも繋げられます。

4.作業効率Up

作業効率Upは考えれば考えるほど物流業務のどの工程においても可能性に溢れています。例えばロケーション管理に関しては熟練者でないとなかなか倉庫の状況把握がスムーズに行かない事があります。

またロケーション管理が上手く稼働していたとしても、保管場所を随時見直していかなければ出荷頻度によっては商品の棚卸に時間やコストがかかってしまう場合もあります。
そんな時はまずMHについて考えましょう。

MH(マテリアルハンドリング/マテハン)とは人時生産性のことを言います。
物流現場における『調達』・『生産』・『販売』・『回収』を含める作業員
一人当たりの生産性全般を指します。
具体的には一人が1時間あたりにどれだけの商品を梱包できるのかなどがあります。
このようなMHを道標に物流現場の改善を考える事により大きく作業効率を上げていく事ができます。

例えば作業場所の通路幅を狭くするとどうなるでしょうか。
動線が明確に整頓され不規則で無駄な動きをする必要がなく、移動の際の歩数を減らす事ができます。こういった保管場所のスペースの有効活用はMH及び作業効率Upを実現する事ができます。

5.作業工程の管理

日常業務においては気づかないような小さな事でも、トラブルの原因は会社内にある可能性があります。
しっかりと随時現状分析をし、さらにそれが社内での問題であった場合、人為的な内容なのかシステムの欠陥なのか的確に判断する必要があります。

「どこで誰がどのようなミスをおかしたのか」などの作業記録を細かく把握する事が大切です。例えばそのように細かく作業内容を把握するために紙を使って作業記録管理をしている場合もありますが、それでは情報処理スピードが追いつかない事も考えられるので、情報処理のデジタル化を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

このように物流改善にはいくつものチェックすべきポイントが混在しています。
では早速事例に基づき解決方法をブラッシュアップしていきましょう。

物流改善事例集

ここでは物流改善の事例を4つ見ていきましょう。

事例①

【問題点】ピッキングに関する人為的ミスが多かった。品番の文字が小さすぎたり桁が多すぎる、または見た目が似ている商品が多いとミスの発生確率は上がりやすい。
【改善点】バーコード管理の導入により、目視での不安定な作業がなくなった事によって正確性が上がり、作業効率と必要以上の人件費が掛からなくなった。=3Mの排除に成功した。

事例②

【問題点】業務拡大により、倉庫の保管スペースに限界がでてきた。
【改善点】三次元的に倉庫内の空間を活用する事に目を向け、2階またはメザニン(中2階)を作った。その結果、少ない予算からでもメザニンを設置する事ができるため、そこまでコストをかけず保管効率をあげる事に成功した。

事例③

【問題点】作業工程が多かったり、物流現場の整理整頓ができていなかった。
【改善点】シンプルな作業内容に変更。動線・レイアウトの再確認のため、倉庫のゾーン区分表示を細かくした。カゴ台車数を減らし、二段カゴ台車を導入などを実施。このように出荷頻度に合わせて保管場所を随時変更する事によって、作業の動線・レイアウトがわかりやすくなった。

事例④

【問題点】作業の効率化を考えて物流システムを導入してみたものの、細かい部分を自社用に最適化・調整する必要に迫られてコストをかけた挙句、専門知識がないまま自力で調整しようとした結果不適切なシステム修正を施してしまった。
【改善した結果】管理業務から配送まで行っている業者に物流業務そのものをアウトソーシングした。その結果、人件費に大きく関わる「入荷・検品作業」を委託した事により、コスト自体は同程度の外注費がかかったが、人的・時間的ソースを確保しやすくなった。

結果、EC事業者はECサイト自体の運営や企画に集中できるようになった。
また、シーズン毎に変動していた物流コストも、外注先に1本化されたため対応がしやすくなった。

物流改善におけるおすすめ本

物流への理解を深めるための本をご紹介いたします。物流に特化した経験と知識を豊富にし、改善ポイントを徹底解明していきましょう。

事例で学ぶ物流改善

青木 正一 (著)

物流改善の進め方 コストを下げ、品質を上げる

角井 亮一 (著)

図解入門ビジネス 物流センターの改善の進め方がよ~くわかる本

角井 亮一 (著)

物流改善におすすめの倉庫管理システム3選

ここでは物流改善におすすめの倉庫管理システムを3つ紹介してきます。

mylogi


mylogiは、当社アートトレーディングが提供する倉庫管理システム。特にECや通販の事業者さんにおすすめです。

というのもmylogiは、バーコードによる入出荷やピッキングなどの倉庫管理機能の他に、ECサイトやECモールと連動した受注管理の機能が搭載されているから。例えば、商品Aの在庫が1つ出荷された場合に、ECサイトやモールの在庫情報が自動的に更新させる機能が搭載されているんです。

またmylogiには”複数倉庫管理”という機能が搭載させているので、「ZOZO Town」や「Amazon FBA」など委託倉庫の在庫業況も自社倉庫と併せて把握すること可能。自社倉庫内でも「通常の在庫」と「不良品在庫」を分けて記録しておくことができますよ。

\mylogiについてもっと詳しく知りたいなら/

ロジザードZERO


ロジザードZEROは、株式会社ロジザードが抵抗する倉庫管理システムです。

ロジザードZEROの強みは、その機能の豊富さです。OMSやAGVなど多くの周辺システムと連帯することができため、確実に自社の課題に合わせた物流改善をすることが可能です。

また365日サポート対応ができるため、現場で困ったトラブルが起きた場合にも、スピーディーに解決することが可能です。

さらにロジザードZEROは、クラウドWMSトップシェア稼働数No.1です。20年のノウハウや実績があるため安心して自社倉庫に導入することができますよ。

ロジクラ

ロジクラは、株式会社ロジクラが提供する倉庫管理システムです。

一番の強みは、とにかく料金がお手頃なところ。ビジネスの規模に合わせて3種類のプランを用意しており、一番安いLiteプランであれば9,000円/月~利用することが可能です。

出荷量が増えたとしても、その時の出荷数に応じて料金プランを変更することができるので、損するリスクなく倉庫管理システムを導入することができますよ。

また商品の検品は、iPhoneを利用することができるので、ハンディの購入費用を抑えることも可能です。

このように費用を最小限に抑えて倉庫管理システムを導入できるロジクラは「まだ商品の出荷が少ない事業者」や「試しに倉庫管理システムをつかってみたいという事業者」に一押しのサービスと言えるでしょう。

まとめ

物流と一言で言っても様々な工程があり、それら全てに問題点と改善点があります。それは言い換えれば「改善のチャンス」でもあるのです。物流と一言で言っても様々な工程があり、それら全てに問題点と改善点があります。

それは言い換えれば「改善のチャンス」でもあるのです。専門的なプロに任せる「アウトソーシング」も視野に入れつつ、工程毎の細かな改善点を見逃さず明確にし、作業効率をupする事が現実的ではないかと考えます。

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