現在、ECサービスの多様化によって、物流業界では様々な面でリソース不足に陥っています。この問題を解決するための一つのキーワードがシェアリングエコノミーです。
この記事ではシェアリングエコノミーとは何かやシェアリングエコノミーサービスのメリット、サービス事例等について詳しくご紹介致します。
目次
シェアリングエコノミーとは
シェアリングエコノミーとは、個人が所有しているが現在使われていない財産を貸し出して共有することで有効利用することを指します。シェアリングエコノミーのメリットは、使われていないものを有効活用することができるという点です。
また、インターネットなどのソーシャルネットワークサービスを用いて行われることも特徴の1つとして挙げられます。
一方、基本的にこのシェアは「個人」から「個人」へのものである為、自身のニーズにマッチしたものを見つけにくいというデメリットもあります。そのため、ニーズにマッチした相手先を探してくれるサービスや相手先の検討を容易にしてくれるようなプラットフォームを提供するサービスも登場しています。
物流プラットフォームにおけるシェアリングエコノミーサービスのメリット
物流業界においてもシェアリングエコノミーサービスは普及しつつあります。
シェアリングエコノミーサービスを利用する際、大きく以下の2点がメリットとして挙げられます。
・柔軟な対応力
シェアリングエコノミーサービスのメリット
「費用の安さ」
新規事業参入者にとって、物流に対する費用は一つの大きなハードルになってきます。
通常の形態で倉庫を借りる際には契約だけで数ヶ月を要す場合があります。すぐに事業を始めたい方にとっては大きな問題になってくるでしょう。事業の内容によっては広いスペースが必要な場合もあります。その場合には、膨大な借用費を支払わなければなりません。
シェアリングエコノミーサービスのメリット
「柔軟な対応力」
新規事業者以外にもシェアリングエコノミーサービスを利用する方が都合が良い場合もあります。
それは、アパレルメーカーなどの季節商品を扱う事業者です。例えばアパレルメーカーの場合、夏冬にバーゲンセールなどを行うメーカーがほとんどです。そのため、バーゲンセールの時期には季節商品を含む大量の在庫を抱えます。特に冬はアウターなどボリュームのある商品もあるため、広いスペースが必要です。
しかし、その時期が終わってしまうと、確保した広いスペースが無駄になってしまうケースがほとんどです。そのため、バーゲンシーズンだけ借用するなど柔軟に対応することのできるシェアリングエコノミーサービスの方が向いているケースもあるでしょう。
このように、シェアリングエコノミーサービスを利用する方がよりニーズにマッチするというケースもあります。自身の事業の特徴に合わせて選択していくことが重要です。
物流における倉庫のシェアリングエコノミーサービス事例
物流における倉庫のシェアリングエコノミーサービスとしては、事業者同士で倉庫をシェアするというサービスや倉庫利用希望者と所有者のマッチングを行うサービスなどが挙げられます。
ここでは、マッチングサービスの「Souco」と日立物流のシェアリングサービス「SMART WAREHOUSE」とをご紹介します。
日立物流のシェアリングエコノミー サービス「SMART WAREHOUSE」
「SMART WAREHOUSE(スマートウェアハウス)」は複数のEC事業者間で物流センター内のスペースや設備を共同利用するというシェアリングエコノミーサービスです。
EC物流向けのシステムや大手通販サイト受注管理システムとの連携や一元管理が可能です。また、管理者や作業者などの人材確保も実現しており、自動化・標準化されたオペレーションでミスを低減し、効率化を図っています。
従量課金型で最新設備やスペースなどを利用可能で、初期費用や固定費はかからない点も魅力と言えるでしょう。
物流倉庫のマッチングサービス「Souco」
物流における倉庫のマッチングサービスを行っているのが「Souco」です。
この「Souco」は、自身の事業に合った規模感の倉庫を探したいという事業者のニーズと、所有している倉庫の遊休スペースを有効活用したいという所有者側のニーズをマッチングさせるという特徴を持っています。
「Souco」の最大のメリットは、ニーズに応じたマッチングを行ってくれるという点です。シェアリングエコノミーサービスの難点は「個人」から「個人」へのものであるため、ニーズにマッチする相手先を見つけにくいという点ですが、「Souco」はこの難点を解消することができます。
立地・期間・スペースの広さなどの様々な条件から希望に合う倉庫を全国からピックアップしてくれるため、利用者は最適な倉庫を選ぶことが可能です。また、契約締結から保険や決済までオンライン上でまとめて行うことができるため、安心して利用することができます。
また、貸し出す場合には、「Souco」が必要要件のヒアリングを代行し、見積もりに必要な情報が全て揃えてくれます。そのため、貸し出す側は見積もりの際の煩雑なプロセスを省くことができます。
配送・配達におけるシェアリングエコノミーサービス事例
配送や配達においては、複数の発送地からの配送物を一旦経由地で集約し配達することで、配送コストを削減する「さとふる」のさとふるおまとめ便などが有名な事例として挙げられるでしょう。
ここでは、配送シェアリングサービス「DIAq」をご紹介します。
配送シェアリングサービス「DIAq」
「DIAq」は届けて欲しい荷物がある際に、周辺にいるドライバーやライダー、メッセンジャーなどに配達を依頼できるサービスです。アプリケーションのため、手軽に利用することができます。
プロのドライバーだけでなく、学生や主婦など様々な人の空き時間や移動時間をシェアすることで、配送時間や費用を抑えることができます。
また、運送者の詳細やプロフィールを確認することが可能で、事前に評価や実績を確認することができます。万が一、荷物に何かあれば最大100万円までであれば保証される保険が適用されるため、安心して依頼することができます。
シェアリングロジスティクス研究会とは
製造から宅配まで様々なものが存在するサプライチェーン・ロジスティクスにおいて、IoT技術なども利用することで、社会全体の生産性・持続可能性を高めることを目指す研究会です。小売業者や物流不動産業者、輸配送業者など15社が参加しています。
まとめ
この記事では、シェアリングエコノミーとは何かやメリット、サービス事例などをご紹介致しました。
シェアリングエコノミーは日本でも大きな広がりを見せており、今後も発展していくことが予想されます。
シェアリングエコノミーサービスを利用する際には、自身のニーズとマッチしたものを選定していくことが重要になってきます。
この記事がシェアリングエコノミーサービスを利用する際の参考になれば幸いです。
関連記事
・物流倉庫を利用する際に掛かる費用とは?全国の坪単価相場から貸し倉庫の料金表まで徹底解説!
・物流業務での仕分け自動化の追求とは? メリット・デメリットを比較してみました
・倉庫管理とは?倉庫管理の基礎知識や在庫管理システムとの違い、作業効率化のための方法まで含めてご紹介
物流管理でお悩みの方へ
このようなお悩みをお持ちの企業ご担当者様へ
▶︎受注と物流が別管理なので煩わしい
▶︎売り上げが伸びてきたので、人力での管理に限界を感じている。
▶︎既に受注管理システムを導入しているが、どこか物足りなさを感じ、本当に自社に合ったサービスを探している。
▶︎物流管理にかかるコストを圧縮したい
EC運営実績豊富なアートトレーディング社だからこそ開発できた、物流~受注管理システムmylogiであれば、そのようなお悩みをオールインワンで解決可能です。
少しでもご興味お持ちになられましたら、ぜひご相談くださいませ。