各業界で大活躍のハンディーターミナル!使い方やメリット、選び方をご紹介。

ハンディーターミナルは、物流業界だけでなく小売店やショップでも使われている便利なデバイスです。導入すると、在庫管理やピッキング、工程管理などが効率よく行えて、さらに管理の精度も向上できます。今回は、そんなハンディーターミナルの在庫管理の使い方やメリット、選び方についてまとめてみました。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、
売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

ハンディーターミナルとは?

ハンディーターミナルとは、簡単に言えば在庫のデータ収集用の端末です。携帯性に優れているのが特徴で、英語表記は「handy terminal」、日本語にすると「携帯端末」です。

読み取れるコードや搭載された機能も様々で、物流業界はもちろん製造業、小売業界など多くの業界で使用されています。

 

ハンディーターミナルの使い方

ハンディーターミナルは、在庫や工程の管理に利用されています。搭載されたレーザースキャンモジュールまたはカメラで、バーコードのバーやその間隔の違いを感知してデータを読み取ることができます。

専用コードの読み取りのみに使われるハンディスキャナとは異なり、バーコードや2次元コード意外にも、文字認識機能を用いて製品に直接印字されたナンバーや、使用期限などの文字列の読み取りも可能です。また、ハンディーターミナル自体にCPUや液晶画面が搭載されており、PCがなくても製品に関するデータを記録・処理することが可能です。販売管理システムにリアルタイムで連携することもできます。

 

ハンディーターミナルで在庫管理

物流の需要が増えてきている中で、多くの商品データを人の手によって帳簿で入力・管理するのは、ヒューマンエラーなどの観点からも無理があります。そこで、製品にバーコードや2次元コードを付与し、ロケーション(棚・列・段)にもコードを付与します。製品とロケーションのコードを読み取り、数量など情報を入力することで、「どの商品がどこにどれくらいあるのか」を管理することができるようになります。

 

商品の入出庫や移動の際にもバーコードを読み取るだけで、正確な管理が行えます。それらのデータは、リアルタイムで確認もできるので適切な管理が可能です。

 

ハンディーターミナルでピッキング

出荷の際に倉庫内に保管された商品を集めるピッキングは、従来では作業員が倉庫内から商品を探していたので、ヒューマンエラーの可能性もあり、スピードも作業者によってばらつきが発生しやすいものでした。

 

そこで、ハンディターミナルを導入します。事前に製品とロケーションに付与したコードをハンディーターミナルに登録し、出荷指示書(ピッキングリスト)にそのコードを記載しておきます。すると作業者は、ピッキングリストに記載されたコードをハンディターミナルで読み込むだけで、目当ての製品の情報とその正確な位置を知ることができます。また、ピッキングの際に製品のコードも読み取ることで、ピッキングと検品を同時に行うことができます。

 

ハンディーターミナルでトレーサビリティをシステム化

近年の安全意識の高まりもあり、製品が「いつ、どこで、誰によって作られたのか」を追跡可能にしておくことが重要になってきています。

 

トレーサビリティーを実施するには、各工程での情報が適切に記録されていることが大前提になりますが、商品が増えれば増えるほど紙に手書きでとはいきません。ハンディーターミナルで各工程での作業の履歴を取り、データを一元で管理することでトレーサビリティーをシステム化することができます。

 

ハンディーターミナル在庫管理でできること

ハンディーターミナル導入による課題解決

コードで製品とロケーションを管理することができるので、各工程での時間の節約とヒューマンエラーの減少を叶えることができます。

また、製品入荷時からコード管理を行えば、製品の情報をリアルタイムで把握・データベース化が可能です。このような情報を活用することで、人員の最適化や工数の最適化も行ってコストを削減することもできます。その他にも、数多くのメリットがあります。

 

その他ハンディーターミナル導入のメリット・日付の管理が簡単

・先入れ先出し管理もできる

・読み取りデータをエクセル等に自動入力

・商品の場所が即時に確認できるので効率的

・棚卸し作業の負担軽減

・トレースフォワード・トレースバックが簡単

・出荷ラベルを発行して即出荷可能

・読み取れるコードの多さ、文字認識も可能

 

 

ハンディーターミナルを活用している業界

ハンディーターミナルはその利便性から、物流業界のみならず、製造業界の生産管理や小売業界での商品管理など幅広く利用されています。

他にも様々な現場で導入されているのでご紹介します。

宅配業界

荷物を届けてくれる宅配業者さんは、配達の際に伝票に印刷されたコードを読み取っています。宅配業界では、ハンディターミナルで納品書との照合やラベル発行などを行っています。また、ハンディターミナルに登録した情報を貨物追跡データべースと連携させることにより、リアルタイムで貨物の所在地、輸送段階を管理しています。

 

精密機器・半導体業界

精度が求められる現場では、検品やピッキングの精度も高くなければいけません。ハンディターミナルを導入することで、各工程での検品・照合の効率をあげることができ管理制度の向上が叶います。

 

食品・薬品・化粧品業界

これらの業界で近年重視されているのは安全基準です。製造日時や商品劣化など、注意して管理しなければならなりません。原料の消費期限データ管理や工程管理の効率化において、ハンディターミナルが役に立ちます。

 

駐車監視員

駐車違反の車両の管理を行う駐車監視員は、放置車両を発見するとその車両の写真を撮影し違反ステッカーを発行します。この時に使われているのがハンディーターミナルなのです。

 

ハンディーターミナルの選び方

ハンディターミナルは搭載された機能や形状、大きさまで機種によって様々です。

・読み取り可能なコードの種類、読み取り性能

バーコードのみ読み取り可能なものから文字認識が可能なもの、また業界独自のコードなど、業務フローに合わせた機能を選びましょう。

近年、金属やプラスチックなどさまざまな製品への直接印字も増加していますが、表面の素材や形状により読み取り精度が変わってきます。必要であれば、このような場面でも対応できるような性能や読み取りスピードなどにも着目しましょう。

 

・通信機能

電波が通り、広い範囲での通信をしたいのであれば無線LAN内蔵タイプ、限られた範囲での作業のみであればBluetooth搭載タイプ、電波の届きにくい環境で無線LANが使いにくいのであれば有線対応タイプなど、現場に合わせて選びましょう。

また、拡張性が高く柔軟に通信手段を選べるタイプもおすすめです。効率敵にもオペレーション的にも、通信速度も重要ですので早いものを選びましょう。

 

・経続使用可能時間、バッテリー容量

ハンディーターミナルは、現場での使用時間が長い端末です。消費電力が大きく、一度の充電で1日持たなかったり、内蔵バッテリーが劣化しやすかったりすると、非効率的ですしランニングコストもかかります。頻繁に充電できない想定であれば、連続使用可能時間が長いタイプや大容量バッテリー搭載タイプを選びましょう。

 

・サイズもや形状も様々

必要な情報量などから、一度に多くの情報を確認する必要がある場合は大型ディスプレイ付き、小規模のショップや長時間の使用が想定される場合は、省スペースで疲れにくい小型軽量タイプが良いなどの判断ができます。

また、タッチパネル式か、どの角度からでもディスプレイの数字が視認できるか、端末が持ちやすいか、キーは押しやすいかなどの操作性も重要です。

 

・落下耐性や防水・防塵機能

長時間使うものですから、一度落としたくらいで壊れてしまっては困ります。しっかりと業界基準の落下耐性をクリアしたものを選びましょう。また、製造業界や物流業界などでは野外や水が飛び散る環境などのハードな使用も想定されますので、防水・防塵機能も欠かせません。

 

・互換性、サポート体制

ハンディーターミナルの導入は安い買い物ではありませんし、機能にこだわって選べば選ぶほど故障した際にダメージは大きいでしょう。そんな時に、メーカーのサポート体制は万全か、その機種の互換性はあるかが重要になってきます。

メーカーによっては互換性を保ちながらシリーズを更新していたり、アフターケアとして技術的なサポートや導入のアドバイスをしてくれたりと、運用時に役立つサービスもあります。

 

実際に現場でどのような課題があるのか、業務フローはどうかなど、目的に合わせて選びましょう。性能や機能が良ければその分価格も上昇します。費用対効果を把握してから検討しましょう。

 

まとめ

ハンディーターミナルについて幅広くまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。今やどの業界でも大活躍のハンディーターミナルは、従来の物流課題を解決に導くソリューションの一つです。これからも、新たに生まれてくるソリューションと組み合わせて、さらに便利になっていくことでしょう。

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