おすすめの倉庫管理システム(WMS)10選!比較ポイントまで徹底解説!

おすすめの倉庫管理システム(WMS)は?比較ポイントは何?と気になっていませんか。

結論、おすすめの倉庫管理システム(WMS)は以下の10個になります。

mylogi
AiR Logi
COOOLa
W3SIRIUS
W-KEEPER
THOMAS
ONEsLOGI
zaico
ロジクラ
ロジレス

また倉庫管理システム(WMS)を比較する際は、「自社商品の特性にあっているか」「クラウド型かオンプレミス型か」「サポート体制は万全か」「システムが使いやすいか」「外部システムとの連携は簡単か」「料金は適正か」という点を確認するようにしましょう。

この記事では他にも、倉庫管理システム(WMS)の基本機能や料金相場、導入するメリットや注意点なども紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。

倉庫管理システム(WMS)とは

倉庫管理システム(WMS)とは、商品の入庫、保管、出庫などの倉庫内の業務を効率化し、管理を行うためのソフトウェアのこと。

WMSを導入することで、倉庫内の在庫管理や、商品の位置情報、出荷・入荷管理、ピッキング(出荷する商品の選択)といった作業を効率的に行うことができます。

またWMSには、在庫の正確性を保つ・倉庫のスペースを最適に活用する・時間と人手を節約するといったメリットもあります。

ただし、自社の取扱商品やビジネスニーズに合った倉庫管理システム(WMS)を選ばないと、費用と時間を無駄にしてしまう可能性もあるので、各会社で提供されているWMSの特長をよく比較して、導入するようにしましょう。

おすすめの倉庫管理システム(WMS)10選

おすすめの倉庫管理システム(WMS)は、以下の10つになります。

mylogi
AiR Logi
COOOLa
W3SIRIUS
W-KEEPER
THOMAS
ONEsLOGI
zaico
ロジクラ
ロジレス

それぞれ見ていきましょう。

mylogi


提供会社アートトレーディング株式会社
タイプクラウド型
初期費用0円
ランニングコスト15,000~30,000円/月

◆おすすめポイント

mylogiは、当社アートトレーディングが提供する倉庫管理システム(WMS)です。

mylogiの一番の強みは、倉庫管理システム(WMS)と在庫管理システム(OMS)の機能が両方使えること。

ECサイト運営に特化していて、商品在庫管理から入荷出荷管理まで物流における全てのフローを、プラットフォーム上で完結することができます。(もちろん在庫管理機能では、多モール注文の管理に対応しています!)

また「複数倉庫管理機能」が用意されているので、自社倉庫だけではなくAmazonや楽天のような委託倉庫の在庫も一元的に管理できます。

さらに利用する企業の特性にあわせてシステムのカスタマイズも可能。

システムの操作についても専門のサポートスタッフからの詳しい指導が受けられるので、初めて倉庫管理に携わるスタッフでも安心してシステムを使用することができます。

\ECに特化した倉庫管理システムmylogi/

AiR Logi(株式会社コマースロボティクス)


提供会社株式会社コマースロボティクス
タイプクラウド型
初期費用35,000円
ランニングコスト30,000円~/月

◆おすすめポイント

AiR Logiはそのコストパフォーマンスの高さが大きな強みとなっています。低コストでの導入が可能であり、経済的な負担を最小限に抑えつつ、倉庫管理の効率化と業務改善を図ることが可能です。

また、AiR Logiのハンディー機器は、無線LANが利用できない環境でも活用することができるため、ネットワークの接続状況に左右されず、様々な場所での倉庫作業をスムーズに進められます。

さらに、AiR LogiはECにおける主要な外部システムや各種モールとの連携も可能です。これにより、一元的な在庫管理や注文管理を実現し、全体の業務効率を向上させることが可能となります。

COOOLa(株式会社ブライセン)


提供会社株式会社ブライセン
タイプクラウド型
初期費用要問合せ
ランニングコスト要問合せ

◆おすすめポイント

COOOLaの強みは、汎用性と拡張性を兼ね備えており、企業の様々な要件や状況に対応することができるところ。これにより、現状の業務プロセスに合わせた機能を持つWMSを利用できる上に、将来的に業務拡大などの変化があったとしても、柔軟に対応できるというメリットがあります。

また、COOOLaを提供する株式会社ブライセンは創業以来35年以上にわたり、国内外の大規模WMSの開発に携わっています。確かな品質と信頼性があるので、安心して利用することができるでしょう。

W3SIRIUS(株式会社ダイアログ)


提供会社株式会社ダイアログ
タイプクラウド型
初期費用要問合せ
ランニングコスト要問合せ

◆おすすめポイント

W3SIRIUSの大きな強みの一つは、複数拠点の一括管理能力です。複数の倉庫や店舗がある企業でも、一元的に在庫や業務を把握・管理することができるため、各拠点間の情報共有をスムーズにすることができます。

また、W3SIRIUSはデータや外部システムとの連携、さらなる機能拡充にも柔軟に対応可能です。企業の成長やビジネスニーズの変化に合わせて、システムを自在にカスタマイズできるため、長く安定的に利用することができるでしょう。

W-KEEPER


提供会社三谷コンピュータ株式会社
タイプクラウド型
オンプレミス型
初期費用要問合せ
ランニングコスト要問合せ

◆おすすめポイント

W-KEEPERは、三谷コンピュータ株式会社が提供する選択型のWMS(倉庫管理システム)で、クラウド型またはオンプレミス型を選ぶことができます。

W-KEEPERは、複数の倉庫や複数の荷主を管理するといった複雑な倉庫業務を、一元的に制御することが可能。またアパレル業界や通販業界など、特定の業種に特化した機能も備えています。

さらに、W-KEEPERは豊富なオプションと機能を備え、多言語にも対応しているため、越境ECなどに関する業務にも適応できます。

THOMAS


提供会社株式会社関通
タイプクラウド型
初期費用
ランニングコスト90,000円〜/月

◆おすすめポイント

TOMASの魅力は、ハンズフリーで業務効率化を達成できるところ。

というのも、TOMASのバーコード処理は、スマートフォンと指に装着するリングスキャナーによって実施され、両手が自由に動かせるからです。

さらに、スマートフォン上でピッキングリストを確認できる機能があり、ペーパーレス化も可能。

なによりTOMASは業界や業種を問わず、多数の企業が導入している実績があるため、信頼性をもって利用することができるでしょう。

ONEsLOGI


提供会社ロジスティードソリューションズ株式会社
タイプクラウド型
初期費用
ランニングコスト70,000円〜/月

◆おすすめポイント

ONEsLOGIの強みは、独自の物流に関する専門知識を活かした業務サポートができるところです。これにより、倉庫管理や配送作業などの物流業務における課題を解決し、業務の効率化を実現します。

また、WMSの安定稼働後も、作業スタッフからのお問い合わせに対しては専用ヘルプデスクが対応します。専門的な知識を持つスタッフがWMS導入後の問題をすぐに解決することができるので、システムの利用を円滑に行うことが可能です。

さらに、ONEsLOGIでは、ハンディターミナル(本体、バッテリー、充電器)のレンタルも1台から可能。これにより、企業の規模やニーズに応じて必要な数だけ機器を導入することができ、初期投資を抑えつつシステムを導入することができます。

zaico


提供会社株式会社ZAICO
タイプクラウド型
初期費用
ランニングコスト4,378円〜/月

◆おすすめポイント

zaicoの一番の魅力は、低コストでの導入が可能ということ。これにより、初期投資を抑えつつ、効率的な在庫管理システムを導入することができます。

また、zaicoは余計な機能やボタンが一切ないシンプルなデザインを採用しています。これにより、直感的な操作が可能となり、初心者の作業員でも容易にシステムを理解し、効果的に活用することが可能です。

さらに、zaicoは外部のサービスやツールからのデータを取得し、それをzaicoの在庫データに反映することができます。これにより、リアルタイムの正確な在庫情報を維持し、適切な在庫管理を実現することが可能です。

ロジクラ


提供会社株式会社ロジクラ
タイプクラウド型
初期費用
ランニングコスト9,000円〜/月

◆おすすめポイント

ロジクラの強みは、まずその使いやすさにあります。スマートフォンを活用した簡単な出荷作業が可能で、手軽に倉庫管理システムを導入することが可能です。

また、誰でも使いやすいという特性もロジクラの大きな強みです。シンプルなデザインにより、初めてのユーザーでも直感的に操作することができ、短期間でシステムの利用をマスターすることができるでしょう。

さらに、ロジクラでは有料プランを選択することで、より充実したサポートを受けることが可能です。専門的な知識を持つサポートスタッフにより、システムの導入から運用までをサポートしてもらえるので、作業スタッフは安心して業務に取り組むことができます。

ロジレス


提供会社株式会社ロジレス
タイプクラウド型
初期費用
ランニングコスト22,000円〜/月

◆おすすめポイント

ロジレスは、OMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)を一体化したシステムを提供しているのが大きな特徴です。これにより、注文の受付から商品の出荷までを一元的に管理することが可能になります。

また、ロジレスでは注文状況に合わせたマーケティング施策をシステム上で設定することで全てを自動化できます。例えば「一定金額以上の購入者におまけを送りたい」「初回購入者にだけカタログを送りたい」といった複雑な出荷指示も、システム上で条件設定をするだけで自動化可能です。

さらに、ロジレスでは複数の倉庫からの自動出荷も可能です。これにより、ビジネスの拡大や配送コストの調整に伴う手間を省くことができ、業務の効率化を図ることができるでしょう。

倉庫管理システム(WMS)の比較ポイント

倉庫管理システム(WMS)を利用する際は、以下のポイントをしっかり比較して選ぶようにしましょう。


・自社商品の特性にあっているか
・クラウド型かオンプレミス型か
・サポート体制は万全か
・システムが使いやすいか
・外部システムとの連携は簡単か
・料金は適正か

それぞれ見ていきましょう。

自社商品の特性にあっているか

倉庫管理システム(WMS)を選ぶ際は、まずシステムが「自社商品の特性に合っているか」ということを確認するようにしましょう。

これは、商品の種類や特性によって求められる管理方法やシステム機能が大きく変わるためです。

ここからは、取扱商品の特性にあわせて、どんな倉庫管理システムを選ぶべきかを見ていきましょう。

◆EC・通販向けの倉庫管理システム

ECや通販の業界では、大量のSKU(Stock Keeping Unit)と大量の小口注文の管理が必要になります。

そのため、ピッキング効率化機能(例えば、ウェーブピッキングやゾーンピッキングなど)、リアルタイムの在庫確認、迅速な出荷処理、返品管理といった機能を持つWMSを選ぶのがおすすめでしょう。

また、顧客の注文履歴や嗜好を把握するために、CRMやERPシステムとの連携が可能かという点も確認しておくと安心です。

◆医薬品や化学製品向けの倉庫管理システム

医薬品や化学製品向けの業界では、ロット番号や製造日、有効期限を記録し、製品のリコールや品質問題が発生した際にこれらの情報を容易に追跡できるWMSを選ぶことが重要です。

また取り扱い商品によっては、特定の温度範囲での保管や危険物質の取り扱いを管理する機能も必要となるので、確認しておきましょう。

◆食品業界向けの倉庫管理システム

食品業界では、温度管理、賞味期限管理、ロット追跡といった機能が必要になります。

また、食品安全法やHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などの規制を遵守するために必要な記録を付けられる機能があると安心です。さらに、取り扱い商品によっては、季節性商品の在庫管理や予測機能があるWMSを選ぶと良いでしょう。

◆アパレル製品向けの倉庫管理システム

アパレル業界では、多数のSKU(サイズ、色、スタイルなど)を管理する機能が求められます。

また、季節性商品の在庫管理、トレンドに応じた需要予測、効率的なピッキングと出荷処理、そして返品管理機能が必要となるでしょう。

さらに、旬の商品を迅速に市場に供給するためには、リアルタイムでの在庫可視性と迅速な再発注機能も備えているWMSを選ぶと便利です。

クラウド型かオンプレミス型か

倉庫管理システム(WMS)を選ぶ際、自社商材のニーズに完全に合わせて「クラウド型のWMS」を使うか、「オンプレミス型のWMS」を使うかを考える必要があります。

どちらを選ぶかは、企業の具体的なニーズ、リソース、ビジネスの規模、予算、データのセキュリティ要件などによって異なるため、それぞれの特長を見ていきましょう。

◆クラウド型

まず、クラウド型WMSの特長を見てみましょう。

クラウド型の最大の利点は、必要な機能を選んで設定するだけで、比較的短時間で導入することができるところです。

また、ビジネスの需要が変わったり、新たな機能が必要になったりした場合でも、料金プランを変更するだけで、追加のハードウェア投資なしでスケールアップやダウンが可能です。

さらにオンプレミス型と比較して、低コストで導入することができるため、新規事業を始めたばかりの企業や、急速に拡大しているEC企業、あるいは多様な商品を扱う小売業などに特に適していえると言えるでしょう。

◆オンプレミス型

一方、オンプレミス型WMSの特長は、データのセキュリティとカスタマイズの自由度の高さがあるところと言えるでしょう。

自社でシステムを管理することで、情報へのアクセスを厳格に制御し、セキュリティを高めることができます。また、システムを自社の特定のニーズに合わせて細かくカスタマイズすることが可能です。

これらの特性は、医薬品や化学製品を扱う企業、高度なセキュリティが求められる金融業や公共機関、または特殊な業務フローを持つ大規模な製造業などに適しています。

サポート体制は万全か

倉庫管理システム(WMS)を選ぶ際には、提供されるサポート体制が万全かを必ず確認するようにしましょう。

具体的にはサポートの範囲、対応時間、形式という3つの主要な要素を検討する必要があります。それぞれ見ていきましょう。

◆サポートの範囲は?

まず、「サポートの範囲」については、まずシステムのインストール、設定、更新、トラブルシューティングを含むかを確認しましょう。

さらに、新機能の導入や、ユーザートレーニングといったサービスは、含まれるのかなども確認しておくと安心です。

自身のビジネスニーズとリソースを考慮して、どのようなサポートが必要かをピックアップし、確認するようにしましょう。

◆サポート対応時間は?

次に、「サポート対応時間」についても確認しましょう。

ビジネスが24時間365日運営している場合や、急な問題に対応する必要がある場合は、24時間対応のサポートが必要になるでしょう。

一方、営業時間内だけで十分であれば、そういったWMSのサービスを選んでコストを抑えるのもありです。

サポート対応時間は、企業の運用時間や問題が発生した場合の影響を考慮して決定しましょう。

◆サポートの形式は?

最後に、「サポートの形式」についても確認するようにしましょう。

例えば、電話やメールだけでなく、チャットやリモートセッションなど。また、一部のWMSプロバイダーは、オンラインでの自己学習リソース(FAQ、マニュアル、チュートリアルビデオなど)を提供していることもあります。

自社で利用するスタッフが一番使いやすい形式を採用しているシステムを選ぶのがおすすめでしょう。

システムが使いやすいか

倉庫管理システム(WMS)を選ぶ際、システムが使いやすいかということも重要視しましょう。

というのもシステムの使いやすさは、作業効率、スタッフの働きやすさ、そしてトレーニングの時間とコストに直接影響するからです。以下に、確認すべきポイントについて詳しく説明します

◆直感的に操作できるか

WMSを選ぶ際、まずはシステムを直感的に操作できるかという点を重視するようにしましょう。

ユーザインターフェースが直感的であれば、物流スタッフは簡単にシステムを操作し、必要な機能を迅速に見つけることができます。

また新しいスタッフがシステムを使う場合でも、トレーニング時間を短縮し、作業の効率を向上させることができます。

◆ヘルプ機能がついているか

WMSを選ぶ際は、システム内にヘルプ機能やチュートリアルが搭載されているかも確認するようにしましょう。

これらの機能が搭載されていれば、物流スタッフはサポートチームに問い合わせることなく、問題を自己解決することができるため、作業効率を向上させることが可能です。

◆システムのレスポンス速度は速いか

レスポンスの遅いシステムは作業効率を大きく低下させ、ユーザーフラストレーションを引き起こす可能性があります。

このため、システムのパフォーマンスやスピードは、システム選択の重要な要素といえるでしょう。

◆バーコードシステムは使いやすいか

倉庫管理において、バーコードシステムの使いやすさは作業効率と精度に大きく影響します。

例えば、iPhoneをバーコードシステムとして利用できるWMSは手軽ですが、読み込みに時間がかかったり、スマホを落とした際に画面がすぐに割れてしまう場合があります。

そういったネックがある場合、レンタル料金がかかってもハンディターミナルを利用できるWMSを選ぶなど、作業者の使いやすさを優先して、システムを選ぶのがおすすめです。

外部システムとの連携は簡単か

倉庫管理システム(WMS)を選ぶ際には、外部システムとの連携が簡単にできるかという点も考慮するべきでしょう。

というのもシステム間のスムーズな連携は、情報の一貫性、業務の効率性の向上に関わるからです。

それぞれどういった点を注視するべきか続いて見ていきましょう。

◆すでに使っている外部システムと連携できるか

まずは既に使っている外部システムと連帯できるかという点を確認しましょう。

というのも、もし利用する倉庫管理システム(WMS)が外部システムと連携できないと、「手動でのデータ移行が必要になる」「データの一貫性が欠如する」「リアルタイムの情報が利用できない」といったネックが発生してしまいます。

既に使っている(または導入しようとしている)外部システムがある場合は、必ず倉庫管理システムに連帯できるかを確認しましょう。

◆カスタム連携をサポートしているか

自社で独自のシステムをすでに使っている場合は、倉庫管理システムがカスタム連携をサポートしているかということも確認するようにしましょう。

たとえば、ある企業では特定のレポート形式を必要とし、他の企業は特定のデータフィールドを他のシステムと共有する必要があるかもしれません。

そういった企業は、自社で利用しているシステムに合わせて、倉庫管理システムが柔軟に連携できるかを事前に確認しておきましょう。

料金は適正か

また倉庫管理システムを選ぶ際は、料金が適正化ということも確認するようにしましょう。

倉庫管理システムの相場料金は『倉庫管理システム(WMS)の料金相場』で確認することができるので、参考にしてくださいね。

倉庫管理システム(WMS)導入までの流れ

倉庫管理システム(WMS)導入までの流れは、以下の通りです。

1.課題と目的を明確化する
2.倉庫管理システムを選ぶ
3.システム会社と打ち合わせ
4.システムを試験利用する
5.システムの導入準備をする
5.導入する

順を追って見ていきましょう。

1.課題と目的を明確化する

最初のステップでは、現在の倉庫管理の問題点や課題を明確にし、それに対する解決策としてWMS導入の目的を定義します。

また、導入によって達成したい具体的な成果やKPIも設定しておきましょう。

2.倉庫管理システムを選ぶ

次に、自社のニーズに最も適した倉庫管理システムを選びます。

システムの選択は、機能、コスト、サポート体制など、多くの要素に基づいて行いましょう。

※倉庫管理システム(WMS)の比較ポイントはこちら

3.システム会社と打ち合わせ

選択したシステム会社と詳細な打ち合わせを行います。

具体的な要件や導入の目的、外部システムとの連携の可否やカスタマイズの要望などをシステム会社に伝え、その倉庫管理システムで自社の物流課題を解決できるのかを判断しましょう。

4.システムを試験利用する

多くの倉庫管理システム(WMS)では、デモ版やトライアル版を提供しており、実際にシステムを試用してその機能や操作性を確認することができます。

システムを試験利用する際には、実際に現場で利用する物流スタッフにも試してもらい、使いづらくないかを判断するようにしましょう。

5.システムの導入準備をする

システム導入の準備として、システムの利用マニュアルを作成しましょう。

利用マニュアルが完成したら、物流スタッフ向けの研修を開催します。導入直後にはシステムの使い方がわからず現場が混乱することも考えられるため、しっかり準備しておかなければなりません。

5.導入する

全ての準備が整ったら、システムの導入を開始します。この段階では、システムが正しく機能し、スタッフが問題なく操作できることを確認します。

また現在利用中の外部システムがある場合は、このタイミングでシステム会社に連携の実施を行ってもらいましょう。

倉庫管理システム(WMS)導入のメリット

倉庫管理システム(WMS)を導入するメリットは、以下の通りです。

・在庫管理の効率化
・作業効率の向上
・誤出荷の削減
・顧客満足度の向上
・コスト削減
・予測分析が可能になる
・倉庫のスペースを節約できる

それぞれ見ていきましょう。

在庫管理の効率化

倉庫管理システム(WMS)を利用するメリットは、在庫管理の効率化が可能という点です。

まずWMSは、在庫状況をリアルタイムで追跡し、表示する機能を持っています。これにより、手動で在庫を確認したり、紙ベースで記録を更新したりする時間と労力を大幅に削減することが可能です。

また、在庫管理の精度も向上すると言えるでしょう。手動の在庫管理では、人為的なミスや情報の遅延により在庫不足や過剰在庫が発生する可能性がありますが、WMSの自動化機能により、このようなリスクを大幅に軽減できます。

作業効率の向上

倉庫管理システム(WMS)を導入するメリットとして、作業効率が向上するということも挙げられます。

まずWMSでは、ピッキングリストを自動生成することができるので、作業者は効率的に商品を集め、出荷の準備をすることができます。

また、WMSは受入れから保管、出荷までの一連の流れをトラッキングし、各作業の状況を一元管理することが可能です。これにより、作業者や管理者は一目で作業の進行状況や待ち状態を確認でき、必要に応じて手配や指示を出すことが可能となります。

誤出荷の削減

倉庫管理システム(WMS)を導入することで、誤出荷を削減できるというメリットもあります。

具体的は、WMSを利用するとピッキングの段階で、倉庫内の商品の具体的な位置情報を知ることができます。また、バーコードスキャナーなどを用いてピッキングされた商品をリアルタイムで確認し、ピッキングリストと照合することで、ピッキングの誤りを防ぐことも可能です。

次に、パッキング段階では、WMSはパッキングリストを作成し、包装作業者に正確な出荷商品の情報を提供します。これにより、包装作業者は出荷すべき正確な商品が箱に詰められていることを確認できます。

最後に、出荷前にWMSが一度すべての情報を確認することで、誤出荷の可能性を更に減らすことが可能です。これにより、出荷前の最終チェックが容易になり、誤出荷を防止することが可能になるでしょう。

顧客満足度の向上

倉庫管理システム(WMS)を導入することで、顧客満足度が向上するというメリットも挙げられます。

なぜなら、WMSを導入することで効率的な倉庫管理により、注文から出荷までの時間が短縮され、より早く商品を配送することができるから。

また、WMSはリアルタイムの在庫管理を可能にします。これにより、顧客が商品の在庫状況を確認することができるので、「注文してから商品が在庫切れだということがわかった」というような顧客満足度を落とす事態を予防することができるでしょう。

さらに、WMSは商品の追跡も容易にします。顧客が注文した商品の配送状況をリアルタイムで確認することができるので、お店への安心感に繋げることができるでしょう。

コスト削減

倉庫管理システム(WMS)を導入するメリットとして、コスト削減につながるということも挙げられます。

まず最初に挙げられるのは、人件費の削減です。具体的には、在庫の手入力や手動での誤りの修正など、時間と労力を要する作業が自動化されるため、従業員はより重要な業務に集中することができます。これにより、同じ人数でより多くの作業を行うことが可能となり、人件費を大幅に削減することができるのです。

また、在庫管理の効率化により、在庫コストも削減されます。WMSはリアルタイムで在庫レベルを追跡し、分析することができるため、必要な在庫量を正確に把握し、過剰在庫を抑制することが可能です。これにより、在庫保管費用の削減や商品の売り切れによる機会損失の防止が期待できるでしょう。

予測分析が可能になる

倉庫管理システム(WMS)を導入することで、予測分析が可能になるというメリットもあります。

WMSは一般的にリアルタイムの在庫データを提供しますが、このデータを利用することで将来の需要予測が可能です。

例えば、過去の販売データを基にして、特定の商品の将来の需要を予測することができ、企業は過剰在庫や在庫切れを防ぐために必要な在庫量をより正確に計算できるようになります。

また、WMSによる予測分析は、サプライチェーン全体の最適化にも貢献します。具体的には、リードタイム、配送時間、生産スケジュールなど、さまざまな変数を考慮した予測を行うことができるため、企業はリードタイムを短縮し、顧客満足度を向上させる対応が可能になるでしょう。

倉庫のスペースを節約できる

倉庫管理システムを導入するメリットとして、倉庫のスペースを節約できるということも挙げられます。

WMSは、在庫の位置情報、商品の大きさや重さ、さらには入出荷の頻度など、各商品の詳細なデータを管理することができるため、倉庫内の商品を最適な位置に配置することができ、無駄なスペースを減らすことが可能です。また、商品の置き場所を特定の場所に集中させないよう分散させることで、効率的に動けるスペースを確保することができるでしょう。

さらに、WMSは商品の回転率に基づいて商品を配置することが可能です。例えば、頻繁に出荷される商品は倉庫の出入り口近くに、長期間保管される商品はより奥に配置するなど、動きのある商品と少ない商品を適切に配置することで、ピッキング時間を短縮し、全体の効率を向上させることができます。

倉庫管理システム(WMS)導入時の注意点

ここまで倉庫管理システム(WMS)を導入するメリットを紹介してきましたが、導入する前の注意点も知っておくと安心です。

倉庫管理システム(WMS)を導入する際の、注意点は以下の通りです。

・導入にコストがかかる
・スタッフのトレーニングが必要
・既存データの移行に手間がかかる

それぞれ見ていきましょう。

導入にコストがかかる

倉庫管理システム(WMS)を導入する際には、コストがかかるという注意点があることも覚えておきましょう。

倉庫管理システムの導入にかかるコストとして、まず挙げられるのがWMSシステム自体のコストです。

WMSのシステム自体の価格は、オンプレミス型とクラウド型では異なりますが、オンプレミス型の場合、初期投資が高額となることが一般的。一方、クラウド型の場合、初期投資は比較的低く抑えられ、その後は使用した分だけの月額料金を支払う形となることが多いです。

次に、システムの設定やカスタマイズのコストも考慮する必要があるでしょう。特に、自社の取扱商材に合わせてシステムをカスタマイズする場合、追加の開発コストが発生することがあります。また、WMSを既存のシステムと統合するための作業も、コストがかかる場合があるということを覚えておきましょう。

最後に、スタッフのトレーニングコストがかかるということも忘れないようにしましょう。新しいシステムを導入するということは、従業員がそのシステムを適切に使えるようにするための教育が必要となります。従業員へのトレーニングには、時間とコストがかかりますが、WMSを最大限に活用するためには必要不可欠な投資ということを頭に入れておいてください。

ただし、これらのコストは投資であり、中長期的に見れば作業効率の向上やエラーの減少、顧客満足度の向上などにより、投資対効果として十分に回収することが可能です。そのため、導入コストが高額であるからといってWMSの導入を避けるのではなく、その価値を理解し、適切に投資を行うことが重要でしょう。

スタッフのトレーニングが必要

倉庫管理システム(WMS)を導入する際は、事前に作業スタッフのトレーニングが必要ということも覚えておきましょう。

なぜなら新しいシステムを導入しても、作業スタッフがシステムの操作方法を理解し、その機能を適切に活用できるようにならないと、逆に作業時間が多くかかってしまう場合があるから。

それでは、具体的にどのようにトレーニングを進めるべきなのでしょうか。

まず第一に、WMSの基本的な操作方法のトレーニングが必要です。これには、システムへのログイン方法から始まり、商品の受け入れ、在庫の登録、ピッキング、出荷処理といった基本的な業務フローに関わる操作方法を習得することが含まれます。

次に、問題発生時の対処法について学ぶことも大切です。例えば、システム上でエラーが発生した際の対処方法や、不具合が見つかった場合の報告方法などを理解してもらう必要があるでしょう。

また、トレーニングの時間だけで操作方法を完全に理解するのは難しいので、操作方法や業務フローのマニュアルなどを作成しておくと、導入後スムーズにシステムを利用することが可能です。

既存データの移行に手間がかかる

新しい倉庫管理システム(WMS)を導入する際には、既存のシステムから新しいシステムへのデータ移行が必要になり、その作業に手間がかかる場合があります。

まず、既存データの移行に手間がかかる理由として、データのフォーマットや構造の違いがあります。旧システムで使用されていたデータ形式が新システムでそのまま利用できない場合、データの変換やリフォーマットが必要です。

また、データの量が膨大である場合や、多数のデータソースからのデータを一元化する場合も、移行作業に時間と労力がかかります。データの整合性を確保しながら移行を行うためには、厳密なプロジェクト管理と計画が求められることを覚えておきましょう。

なお、データの移行は専門的な知識と経験を必要とする作業であるため、自社のリソースだけで対応するのが難しい場合もあります。そのため、専門的なサポートを提供している倉庫管理システム会社を選ぶか、または外部のITコンサルタントに依頼することを検討すると良いでしょう。

倉庫管理システム(WMS)で利用できる基本機能

倉庫管理システム(WMS)で利用できる基本機能は、以下の通りです。

・入荷管理
・在庫管理
・出荷管理
・帳票、ラベル発行
・返品管理

それぞれ見ていきましょう。

入荷管理

入荷管理とは、商品の倉庫への受け入れから格納までのプロセスを効率化し、管理する機能のこと。

以下では、倉庫管理システムの入荷管理機能を利用する際の流れを紹介していきます。

◆入荷予定情報の取込み

WMSの入荷管理では、まず入荷予定情報の取込みを行います。

入荷予定情報の取り込みとは、サプライヤーから提供される情報(商品の種類、数量、到着予定日時など)をWMSに取り込む作業のこと。

これを行うことで、入荷作業のスケジューリング、スタッフ配置、スペースの割り当てなどが効率的に行えます。

◆入荷実績の入力

商品が倉庫に到着すると、スタッフは商品を確認し、入荷情報をWMSに入力します。

その際、作業スタッフは、商品のタイプ、数量、状態(損傷や欠陥がないかどうか)などの確認を行います。この情報は、在庫の正確な追跡と、将来の需要予測のためのデータ提供に使用されます。

◆ラベル発行

商品情報がWMSに入力されると、一意の識別子が付与され、各商品へのラベルを発行することができます。

これらのラベルには、商品情報(名称、型番など)、バーコードまたはRFIDタグが含まれ、倉庫内で商品を追跡しやすくします。

◆検品・格納

ラベルが付けられた商品は、再度、数量と品質の確認を行います。

この確認が終わると、WMSでは倉庫内にある最適な商品の格納場所を確認することが可能です。この位置情報はWMSに記録され、迅速で効率的なピッキングが可能になります。

在庫管理

倉庫管理システム(WMS)における「在庫管理」は、在庫位置の確認や商品の状態、数量の管理などができる機能です。

以降で具体的な機能について見ていきましょう。

◆在庫照会・期限警告

WMSの在庫管理では、倉庫内の在庫状況を瞬時に照会することが可能です。

これにより、特定の商品が低在庫状態になった場合でも、すぐに気づくことができます。

また期限警告機能により、賞味期限が近い商品や使用期限が近い商品を特定することも可能。これらの商品は先に出荷されるように優先的に処理されるため、廃棄の防止に繋がります。

◆移動指示

次に、商品が倉庫内で移動した場合、WMSはその移動を追跡し、商品の新しい場所を記録することが可能です。これにより、在庫情報が常に最新の状態で保たれ、作業スタッフが商品をすぐに見つけられるようになります。

出荷管理

出荷管理は、注文を受けてから商品が出荷されるまでのプロセスを管理する機能です。

◆出荷依頼情報の取込み

まず顧客からの注文が入り次第、注文された商品の種類、数量、配送先などの出荷依頼情報が倉庫管理システムに取り込まれます。

取り込まれた情報は、出荷作業全体の計画とスケジューリングの基礎となります。

◆在庫引当・引当処理

次に、システムは在庫から必要な商品を引き当てます。

これは、すでに注文された商品が誤って別の注文に使用されるのを防ぐために行われます。

◆出荷指示

引当が完了したら、続いて倉庫内の該当する商品の位置情報とともに、ピッキングリストが作成されます。このリストに基づいて、作業スタッフは商品を集め、梱包し、出荷の準備をします。

◆検品

最後に、ピッキングとパッキングが完了した商品に、最終的な検品作業をおこない、注文に対して正しい商品を出荷しているかを確認します。ピック間違いや損傷などの問題が見つかった場合、問題が解決するまで出荷は保留されます。

◆在庫情報の調整

出荷が完了すると、WMSは出荷情報を更新し、在庫を調整します。同時に、顧客に出荷通知が送られ、配送追跡情報が提供されます。

帳票・ラベル発行

「帳票・ラベル発行」機能は、ラベルを発行することで、倉庫内の商品や位置情報を可視化し、商品の識別、追跡、管理を助ける機能です。
具体的には、以下のような機能となっています。

◆商品ラベルの発行

倉庫に収納される各商品には一意のラベルが発行され、それにより商品の追跡や識別が可能になります。ラベルには、商品名、SKU(Stock Keeping Unit: 在庫管理単位)、バーコード、QRコードなどの情報が含まれます。

◆出荷ラベルの発行

商品が出荷される際には、出荷先の情報、追跡番号、出荷日などの情報を含む出荷ラベルが発行されます。このラベルを使って、配送業者や顧客はパッケージの追跡や受け取りを容易に行えます。

◆帳票の生成

WMSでは、納品書や発注書、帳票などの生成も行うことが可能です。

◆ロケーションラベルの発行

倉庫内の棚やビンなどの場所に対してラベルを発行し、ピッキングや配置のプロセスを助けます。

返品管理

「返品管理」は、倉庫管理システム(WMS)の機能の一部で、以下のような機能となっています。

◆返品受付

顧客からの返品依頼をシステム上で受け付け、それぞれの商品や注文についての詳細情報を記録します。

◆返品在庫の管理

返品された商品は、その商品の状態(再販可能、廃棄対象など)によって適切なロケーションに配置されます。

◆返品処理の追跡とレポート

返品の各ステップをリアルタイムで追跡し、その結果に基づいてレポートを生成します。これにより、返品の状況分析や将来の改善策の検討が可能になります。

倉庫管理システム(WMS)の料金相場

倉庫管理システム(WMS)は、クラウド型かオンプレミス型かによって、料金相場が異なります。

それぞれの料金相場について、見ていきましょう。

クラウド型の料金相場

 

クラウド型
初期費用0〜10万円
ランニングコスト2~5万円/月

クラウド型WMSは、初期費用が少なく月額または年額の使用料を支払う形が一般的です。

月々のランニングコストとしては、ユーザーあたり月額2万から5万円が相場。ただしこの利用料は、使用するユーザーの数や選択したプラン、利用できる機能によります。

オンプレミス型の料金相場

 

オンプレミス型
初期費用100万〜1000万円
ランニングコスト10〜40万円/年

オンプレミス型WMSは、システムを自社で運用するためのハードウェアやソフトウェア、導入に関わる作業など、初期費用が大きくなるのが特徴です。

導入コストは100万円から1,000万円程度、あるいはそれ以上になることもあります。また、システムのアップデートやメンテナンスのための年間費用や、システムを稼働させるための人件費など、継続的なコストも考慮する必要があるでしょう。

倉庫管理システム(WMS)を導入するべき企業とは?

大規模な在庫を抱えている

倉庫管理システム(WMS)を導入するべき企業の特長として『大規模な在庫を抱えている企業』ということがあげられます。

というのも倉庫内の在庫が多いほど、在庫のロケーション、ロット番号、数量、賞味期限などを正確に追跡するのが困難になるから。

倉庫管理システム(WMS)は、バーコードやRFIDといった技術を活用して、在庫の追跡と管理を自動化し、正確性を確保します。また、在庫の過剰や不足を避け、需要予測を改善するためにも役立つため、大規模な在庫を抱えている企業にとって必須のサービスといえるでしょう。

複雑な配送や出荷が必要な企業

また倉庫管理システム(WMS)は、複雑な配送や出荷作業が必要な企業でも、導入するべきでしょう。

というのも、複雑な配送や出荷作業が必要な企業では、特に注文のピッキング、パッキング、出荷といった一連の流れを効率的に、かつエラーなく行うことが求められるから。

WMSは、これらのプロセスを自動化し、ルートの最適化や出荷スケジューリングをサポートします。これにより、時間とコストを節約し、顧客満足度を向上させることができるでしょう。

多くの従業員が倉庫作業に関与している企業

倉庫で働く多くの従業員がいる企業にも倉庫管理システム(WMS)の導入はおすすめです。

WMSは作業指示を自動化し、労働力の最適な配分をサポートしますし、ヒューマンエラーを減らすことで、業務の効率性と精度を高めます。さらに、従業員のパフォーマンス追跡も可能になり、改善のためのフィードバックやトレーニングを提供するのに役立つでしょう。

倉庫管理システム(WMS)導入の成功事例

A社の成功事例

アパレルECを運営しているA社では、物流の面でカラーやサイズの展開が多く、発送ミスが起きてしまうという課題がありました。

それに対し、倉庫管理システムを導入することで、ピッキング作業の自動化と補助が可能となり、ピッキングエラーが大幅に削減されました。ミス率は導入前の約5%から1%以下まで低下し、在庫管理の正確性も向上。

さらに、受注情報と在庫情報のリアルタイムな連携により、出荷処理の効率も向上しました。

B社の成功事例

複数のD2Cブランドを展開し、各ブランドで独自の物流プロセスを構築していたB社では、月間注文件数が増え人力オペレーションに限界を感じていました。

そこでWMSを導入することで、物流プロセスの統合と効率化を実現しました。

WMSによる標準化された物流手順の導入により、各ブランド間での作業手順が統一されました。また、WMSの柔軟性により、月間注文件数が1,000件を超えてもオーダー処理の効率を維持することに成功。

これにより、B社はスケーラビリティのある物流オペレーションを実現しました。

C社の成功事例

C社では、海外向けのネット販売において、手書きによる紙ベースの倉庫管理を行っており、正確性に課題を抱えていました。

そこでWMSを導入し、デジタル管理を行うことで、手書きによるエラーや在庫数のずれが解消されました。これにより、出荷した商品の数と実際の在庫数が一致し、倉庫管理の正確性が向上。C社はWMSの導入により、海外向けネット販売の拡大と顧客満足度の向上を実現しました。

倉庫管理システム(WMS)導入の失敗事例

A社の失敗事例

A社では新しくWMSを導入しましたが、従業員のトレーニングや準備が不十分でした。

導入後になってから、従業員がシステムの使用方法を理解できず、操作ミスや理解不足からくる効率の悪化が見られました。

さらに、導入前のデータ移行も不十分だったため、新しいシステムで正確な在庫管理ができず、結果的に業績に悪影響を及ぼしました。

B社の失敗事例

B社では、導入前の事前調査を怠ったことが原因で、新しく導入したWMSの機能が自社の取扱商品と合わなかったという失敗がありました。

導入したWMSが、既存の業務フローや作業プロセスに適合せず、物流作業の業務効率が低下。

結局B社はシステムをカスタマイズする追加のコストと時間をかけざるを得なくなりました。

C社の失敗事例

C社では、WMSの導入にかかるコストと時間を甘く見積もってしまうという失敗がありました。

予期しない技術的な問題や、システム導入のための追加の資源が必要になったため、計画が遅延した上に、予算を大幅に超過。

この結果、WMSの導入は大幅に遅れ、業績への影響を最小限に抑えるために、企業は追加の資金を調達しなければなりませんでした。

倉庫管理システム(WMS)と他システムの違い

ここでは倉庫管理システム(WMS)と他システムの違いについて解説していきます。

WMSとTMSの違いは?

結論から言うと、WMSは主に倉庫内の作業を、TMSは製品の輸送と配送を管理するという違いがあります。

ここまで紹介した通り、WMSは在庫の追跡から始まり、ピッキングとパッキング、出荷管理、そして返品管理まで、倉庫内の全ての作業を管理することが可能。

それに対し、TMSはTransportation Management System(輸送管理システム)の略で、製品の移動を計画、実行、最適化するためのシステムです。

これには、出荷や配送のスケジューリング、輸送業者の選択、運賃の計算、追跡とトレーシング、配送パフォーマンスの評価などが含まれます。TMSはコスト削減、配送時間の短縮、輸送プロセス全体の効率性と透明性の向上に貢献します。

WMSとOMSの違いは?

WMSは主に内部の倉庫運用と在庫管理の機能が充実しているのに対し、OMSは顧客の注文処理とその充足の機能が充実しています。

OMSでは、商品の注文受付、在庫確認、配送スケジューリング、顧客への通知、決済処理、返品管理など、注文のライフサイクル全体を管理することが可能です。顧客の注文状況をリアルタイムで追跡し、製品の在庫状況と一致させることで、顧客体験の向上とオペレーションの効率化に寄与します。

WMSと基幹システムの違いは?

WMSは主に倉庫運用と在庫管理に特化していますが、基幹システムは企業全体の様々な業務を統合し、管理するシステムです。

よく知られている基幹システムの一つにERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)があります。

ERPは企業の様々な部門(販売、購買、人事、財務など)のデータを一元管理し、各部門間で情報共有ができるようになります。これにより、企業はビジネスプロセスを合理化し、生産性を向上させることができるでしょう。

なお、WMSは基幹システムの一部として機能することが多く、データは基幹システムと連携して共有することが可能です。

まとめ

倉庫管理システム(WMS)を探しているなら、以下10個のサービスがおすすめです。

mylogi
AiR Logi
COOOLa
W3SIRIUS
W-KEEPER
THOMAS
ONEsLOGI
zaico
ロジクラ
ロジレス

それぞれのシステムを比較する際は、

・自社商品の特性にあっているか
・クラウド型かオンプレミス型か
・サポート体制は万全か
・システムが使いやすいか
・外部システムとの連携は簡単か
・料金は適正か

といったポイントを確認して、最適な倉庫管理システムを選択しましょう。