在庫管理を見える化するメリットや方法は?在庫管理を見える化した事例は?と気になっていませんか。
結論、在庫管理を見える化するメリットは、以下の5つになります。
・在庫切れや過剰在庫を防ぐことができる
・業務効率化が期待できる
・コスト削減につながる
・倉庫スペースの無駄をなくすことができる
・サービスの品質が保持される
また在庫管理を見える化するには「ロケーション管理を行う」「在庫管理システムを導入する」「5Sを徹底する」という方法があることも覚えておきましょう。
この記事では他にも、在庫管理を見える化した会社の事例や在庫管理の見える化におすすめのシステムなどを紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね。
目次
在庫管理の見える化とは?
在庫管理の見える化とは、商品の在庫状況を誰が見てもすぐにわかるようにすることです。
在庫管理の見える化をするためには、「ロケーション管理を行う」「システムやエクセルで商品の在庫状況を記録する」「5Sの徹底をする」といったことを行う必要があります。
これらをきちんと実行できれば、倉庫内の「在庫切れ・過剰在庫の防止」「業務効率化の促進」「コスト削減」につなげることができるでしょう。
在庫管理を見える化するメリット
まずは在庫管理を見える化するメリットを紹介していきます。
・在庫切れや過剰在庫を防ぐことができる
・業務効率化が期待できる
・コスト削減につながる
・倉庫スペースの無駄をなくすことができる
・サービスの品質が保持される
それぞれ見ていきましょう。
在庫切れや過剰在庫を防ぐことができる
在庫管理を見える化することで、在庫切れや過剰在庫を防げるといったメリットがあります。
そもそも在庫管理の見える化とは、在庫の状況(在庫数・入荷待ち・出荷済みなど)を誰でもすぐに把握できる状態のことを指します。つまり倉庫内のスタッフが誰でも在庫状況を把握していれば、「商品の在庫が足りなかった」「在庫を持ちすぎて品質が下がってしまった」といったことが防げるというわけです。
在庫切れや過剰在庫は、販売の機会損失や品質の低下による廃棄のため企業の不利益になってしまいます。在庫管理の見える化を徹底して、適正な数の在庫を発注するようにしましょう。
◆発注業務の時間も削減できる
在庫管理の見える化を行うと、在庫切れや過剰在庫を防ぐだけではなく、発注業務の時間を削減することもできます。
というのも、在庫管理の見える化をしていないと、発注が必要な商品を倉庫で見て回り、一つ一つの数量をいちいちチェックしなければならないから。
また在庫管理が属人化してしまうと、発注をするたびに商品の場所に詳しいスタッフへの確認が必要になり、それにも時間がかかってしまいます。
在庫管理の見える化を行えば、誰でもすぐに商品の状況を確認することができ、発注時間の短縮にもつながりますよ。
業務効率化が期待できる
在庫管理の見える化を行うことで、業務効率の改善も期待できるでしょう。
なぜなら、在庫管理の見える化を行えば、ピッキングの際、出荷する商品を探し回る必要がなくなるから。倉庫内の見える化では、倉庫内でロケーション(住所)を割り振り、必要な商品がどの場所にあるか一目でわかるようになります。
結果として、その商品がどこにどれだけあるかをすぐに確認できるようになり、効率的なピッキングが可能になるのです。
コスト削減につながる
在庫管理の見える化を行うと、倉庫内のコスト削減にも期待することができます。
というのも在庫管理の見える化を行うことで、ピッキング業務や発注業務が効率化され、必要な人件費を削減することができるから。
これまでよりも少ない人員でも、効率よく作業ができるようになるため、人材採用費の削減にもつながるからです。
もちろん在庫管理システムなどを導入する場合は、システムの導入費用が掛かってしまうので、削減できる人件費とのバランスを見なければなりませんが、上手に在庫管理の見える化を行えば、大きくコストをカットすることができるでしょう。
倉庫スペースの無駄をなくすことができる
在庫管理の見える化を行うと、倉庫スペースの無駄をなくすことができるというメリットもあります。
なぜなら在庫管理の見える化では、基本的に倉庫内に住所を割り振るロケーション管理を行い、その中でも保管スペースを最大限活用できるフリーロケーションという方法で商品を保管することができるから。
フリーロケーションとは、入庫した商品を空いている棚に保管する管理方法のこと。倉庫内の空いているスペースに自由に商品を保管できるため、保管スペースを無駄なく利用することが可能です。(導入には商品の位置をすぐにわかるようにするため、在庫管理システムの利用が必須となります。)
このように在庫管理の見える化を行えば、貴重な倉庫スペースを最大限利用することができ、その分保管場所代もコストカットすることができるでしょう。
◆倉庫内の安全性も高くなる
また倉庫スペースの無駄をなくすことで、倉庫内の作業スペースを広く取ることができるため、作業スタッフの安全性も高くなると言えるでしょう。
ピッキングの作業スペースが狭いと、転倒などの原因になりますし、動きが取りにくいため作業効率も下がってしまします。
在庫管理の見える化を行うことで、倉庫スペースの無駄をなくし、作業スタッフにとっても働きやすい環境を整えることができますよ。
商品品質が保持される
在庫管理の見える化を行うことで、商品品質の保持も期待できるでしょう。
というのも、在庫は賞味期限などが無いような商品であっても、長期間保管すると紫外線や湿気などで商品の状態が悪くなってしまいます。
在庫管理の見える化を行えば、古い商品から先に出荷していく仕組みをつくることができるので、商品の品質も保持していくことが可能になるでしょう。
在庫管理を見える化する方法
ここでは在庫管理を見える化する方法を紹介していきます。
・ロケーション管理を行う
・在庫管理システムを導入する
・5Sを徹底する
それぞれ見ていきましょう。
ロケーション管理を行う
在庫管理を見える化していくためには、まず倉庫のロケーション管理を行うようにしましょう。
ロケーション管理とは、倉庫内の保管場所にそれぞれ住所を割り振って、在庫を保管する方法のことです。
この方法を導入すれば、在庫商品がどの場所に保管されているかすぐにわかるようになり、倉庫作業をより効率的に行うことができるでしょう。
またロケーション管理では、2つの方法をうまく使い分けることで、より効率的に在庫管理をすることができます。ここからは、それぞれの方法を詳しく見てきましょう。
◆固定ロケーション
固定ロケーションとは、在庫の種類ごとに保管場所(住所)を固定する管理方法です。
固定ロケーションを行うことで、作業の担当者は何がどこにあるかを把握しやすくなります。また、商品の保管場所が一定に決まっていることで、商品の欠品にすぐ気づけるようになるといったメリットもあるでしょう。
一方で、固定ロケーションで商品の保管場所を決定してしまうと、保管スペースが無駄になりやすいという欠点があることも覚えておきましょう。
◆フリーロケーション
フリーロケーションとは、倉庫内の空いているスペースに商品を自由に保管していく方法のことです。
フリーロケーションのメリットは、保管スペースを最大限活用できるということ。
また新商品が入荷された場合にも、倉庫内のレイアウト変更などをする必要がないといった利点もあるといえるでしょう。
しかしフリーロケーションを行う場合は、ピッキング作業に時間がかかるといったデメリットがあることも覚えておいてください。このデメリットを解消するには、在庫管理システムを導入するのがおすすめです。
在庫管理システムを導入する
在庫管理を見える化していくために、在庫管理システムを導入するのもおすすめです。
在庫管理システムとは、在庫の過不足をなくすため在庫情報や入出荷情報を管理・把握するシステムのこと。基本的に以下のような機能が搭載されているシステムがほとんどです。
・在庫一覧機能(商品の種類ごとに在庫数を確認、管理できる機能)
・入出荷管理機能(入出荷する商品を記録する機能)
・検品管理機能(入出庫する商品の数量や品目に間違いがないかチェックする機能)
・棚卸機能(棚卸の際使える機能)
他にもそれぞれのシステムによって、利用できる機能があったり、他のシステムと連帯することができるサービスもあります。
もちろん導入には費用がかかりますが、作業効率や保管効率をアップさせることができるため、結果的にコスト削減につながる画期的なサービスといえるでしょう。
◆予算がない場合はエクセルでの管理も◎
もし「自社倉庫に在庫管理システムを導入するための予算がない」という場合は、エクセルで在庫の記録を行うことが可能です。
エクセルでの在庫管理表では、「商品コード」「入庫数」「出庫数」「在庫数」「担当者」「入出庫先」といった情報をまとめておくと便利です。(他にも必要であればロケーションナンバーなどを記録しておきましょう)
▼在庫管理表 例
またネット上では「エクセル 在庫管理表」と検索すれば、エクセルの在庫管理表のテンプレートなどを無料でダウンロードすることもできるので、自分で作るのが難しいという人は試してみてくださいね。
5Sを徹底する
在庫管理を見える化するためには、5Sの徹底も心がけましょう。
5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字Sをとったもののことです。
「整理」…不要なものと必要なものを分け、不要なものは処分すること
「整頓」…散らかり乱れている物を、きちんとかたづけ整った状態にすること
「清掃」…きれいに掃除すること
「清潔」…きれいで整った状態をキープすること
「しつけ」…清潔な状態をキープするよう習慣づけること
5Sを徹底することで、「商品の在庫がどこにあるかわからない」「在庫が散らかっていて作業スペースが狭い」「倉庫内が不潔で在庫の状態が悪くなった」といったことを防ぐことが可能です。
5Sの徹底は、倉庫内のスタッフの心がけにより行うことができるので、常に意識し習慣づけするようにしましょう。
在庫管理の見える化に成功した事例
この章では在庫管理の見える化に成功した事例を2選紹介していきます。
・精密機器計測工場A社
・化粧品ネット通販会社B
それぞれ見ていきましょう。
精密機器計測工場A社
物流にかかる費用を削減するために、見える化による施策を実施しました。
改善ボードによる改善内容の表示や改善手順書の作成を行い、作業改善の位置や効果を従業員に周知させました。その結果、作業生産性の向上だけでなく、配送にかかるコストを削減することに成功しました。
化粧品ネット通販会社B
化粧品ネット通販会社Bは、ネット通販、カタログ通販、対面販売を実施する化粧品ネット通販会社。
自社物流センターの業務効率化のため、在庫管理システムを導入したところ、25名体制で21時までかかっていた出荷が、今では12名のスタッフで18時半には作業が終わるようになりました。
業務効率化により人件費の削減をすることで、提供商品の値引きや送料無料キャンペーンなどを実施することができ、結果として昨年比150%の売上を達成することができました。
在庫管理の見える化におすすめのシステム3選
ここでは在庫管理の見える化におすすめのシステムを3つ紹介していきます。
■EC・通販事業者の在庫管理ならmylogi
■手軽に導入できる在庫管理システムはzaico
■在庫管理システムのカスタマイズをしたいならアラジンオフィス
mylogi
mylogiは、当社アートトレーディングが提供する在庫管理システム。
一番の強みは、ECや通販の物流倉庫に特化しているというところ。通常のバーコードで行う倉庫管理機能の他に、各ECサイトやモールでの在庫表示を自動で変更してくれる受注管理システムも搭載されているので、EC事業者の在庫管理にぴったりのシステムなんです。
また倉庫管理では、Amazonや楽天などの委託倉庫の在庫管理も併せてできる”複数倉庫管理機能”も搭載されているので、自社商品の在庫状況を一括で把握することが可能です。
システムの操作に関しても、専門のサポートスタッフからの丁寧なレクチャーがあるため、初心者の倉庫スタッフでも安心して利用することができますよ。
\mylogiについてもっと詳しく知りたいなら/
zaico
zaicoは、株式会社zaicoが提供する在庫管理システム。
一番の魅力は、とにかく手軽に使い始めることができるところ。一番ライトなプランであれば月4,378円で使い始めることができますし、多くの機能(複数人での管理やピッキングリストの作成など)を使いたい場合でもプラス料金を払うことで在庫管理システムを利用することができるんです。
システムの操作もスマホで直感的に行うことができるので、初めて在庫管理システムを使うという倉庫スタッフにもおすすめですよ。
アラジンオフィス
アラジンオフィスは、株式会社アイルが提供する在庫管理システム。
一番のおすすめポイントは、それぞれの業界に特化した機能のシステムを利用できるところ。例えば、アパレルの倉庫であれば『アラジンオフィス for fashion』、食品であれば『アラジンオフィスfor foods』といったように、扱う商品にあわせたパッケージが用意されているんです。
またそれぞれの会社で必要な機能は、カスタマイズが可能です。専属の担当者と打ち合わせを重ねることで、自社にぴったりの在庫管理システムを作り上げることができますよ。
まとめ
在庫管理の見える化は、「ロケーション管理を行う」「在庫管理システムを導入する」「5Sを徹底する」といった方法で実施することが可能です。
在庫管理の見える化を行えば以下のようなメリットがあるので、是非実行してみましょう。
・在庫切れや過剰在庫を防ぐことができる
・業務効率化が期待できる
・コスト削減につながる
・倉庫スペースの無駄をなくすことができる
・サービスの品質が保持される